2021.05.01
家具に使用される代表的な樹種 Vol.2
木は樹種によってさまざまな特徴を持っており、どのような加工に適しているかは、その特性により異なります。
その素材の特徴を最大限に生かすことで、より強度を高める「つくり」が実現します。
世界で主に使用されている材について、後半のご紹介です。
<後半>
■White ash(モクセイ科トネリコ属)
ヨーロッパ家具を代表する木材のひとつ。加工性に優れ強度も高いため、野球のバットとして使用されていることで有名です。
輸入も安定しており、日本でもお馴染みの家具の材料になっています。その美しい白さから、「白木の女王」とも言われています。
■Monkey pod(マメ科ネムノキ属)
日立のCM「この木何の木~♪」でお馴染みの木。枝が横に張り出して成長する特徴があり、50mほどにもなる巨木です。
木陰で人が休む様子から、ハワイでは「人の集まる木」としても親しまれています。育った環境によっては、黒いラインや交錯杢が現れるなど、木目に大きく個体差が出ることが特徴です。
■栃(トチノキ科トチノキ属)
絵本“モチモチの木”に登場するトチの木。栃の実が取れる木材です。
縮み杢やリップルマークと呼ばれる美しい陰影の杢が現れ、絹のような光沢感が見られます。近年では古くの乱伐が影響し、原材料の減少からウォールナットなどと並び高級材として扱われています。
■Oak(ブナ科コナラ属)
オークは樫(かし)と認識されてこともあるようですが、正確にはミズナラを指します。
ウイスキーの熟成樽としても使用されている木材です。海外からの評価も高く、中でも北海道の楢は上質で材料が減少していることから稀少性が高い品種です。使い込むほどに黄金色に変化していく特徴があります。
■Maple(カエデ科カエデ属)
カナダ国旗でお馴染みのメープル。メープルシロップが採れる木です。
ハードメープルの材質は、非常に硬く衝撃に強いとされており、また”木の真珠”といわれるほど光沢があり、上質な木肌です。中でも、バーズアイと呼ばれる杢が現われるものは大変希少価値が高く、高級ピアノにも使用されています。
■Claro walnut(クルミ科クルミ属)
アメリカンブラックウォールナットを台木に、イングリッシュウォールナットを接ぎ木して育てたハイブリット種です。
独特な泡杢や瘤杢など、大胆で複雑かつ緻密な模様が美しく、上品な深い色味が特徴です。素直に真っ直ぐ成長できるものは極僅かなため、希少性が大変高い材料です。
■欅(ニレ科ケヤキ属)
日本の広葉樹の中で最も良材として知られるケヤキ。強度・耐朽性に優れており、寿命が長いことでも有名で、樹齢300年を超える古木には ” 牡丹杢 “” 珠杢 ” といった自然の美しい杢が表れることも少なくありません。神社仏閣といった日本を代表する建造物にも多く使用されている材料です。