2021.07.23

栃 -トチ- (学名: Aesculus turbinata)

Horse-Chestnut
栃 -トチ-

 

トチノキ科トチノキ属の落葉広葉樹。

日本では東日本を中心に分布し、中でも東北地方に顕著に見られる。
落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹の重要な構成種のひとつ。水気を好み、適度に湿気のある肥沃な土壌で育つ。
また谷間では、より低い標高から出現することもある。

サワグルミなどとともに姿を見せることが多く、とても大きな樹種で、高さ25m・太さ1mを超えるものが少なくない。
葉も非常に大きく、葉柄は長い。その先に倒卵形の小葉 5 ~ 7 枚を掌状につけ (掌状複葉) 、全体の長さは 50 cm にも成長する。

巨木になるものが多いので、昔はくり抜いて臼としても使われたが、最近は乱伐が原因で産出量が減り、主にテーブルなどに使用される。

まっすぐ伸びる木ではないので変化に富んだ木材となりやすい。
しかし、比較的乾燥しにくい木材で、乾燥が進むと割れやすいのが欠点である。

近年ウォールナットと同じ銘木級の高価な木材となった。
デンプンやタンパク質を多く含有する種子は、栃の実として渋抜きをして食用にもなる。